マグネシウム合金取扱い上の注意


大阪富士工業株式会社 PCS事業部では、御依頼によりマグネシウム合金の機械加工も承っておりますが、自社で機械加工をする場合、下記の点に十分注意して取扱って下さい。

マグネシウムの熱伝導率は高く、容積の大きいものを自由に燃焼させるには、融点以上に加熱しなければなりません。したがって、 ある程度容積を持った圧延材や押出材のようなものは、容易には燃焼することはありません。 当然のことですが、火元も無い状態で自然に発火するようなことはありません。
しかしながら、機械加工により細かくなった切粉や非常に薄いリボンなどは注意が必要です。 火災による災害は主として微細なマグネシウム片に起因し、部品の使用中より、むしろ機械加工あるいは研磨中に起こることがあります。購入したマグネシウム合金を加工する際は、下記の事項に十分注意して取り扱うようにお願いします。なお、ご購入頂いたマグネシウム合金が起因して生じました火災につきましては、弊社は責任を負いかねますのでご了承下さい。



◆ 注意事項

1.切削加工

  • 正しく研磨された鋭い切削工具を用い、重切削を行って下さい。(切削性は、良好です。)
  • 切削油としては、鉱物油を用いて下さい。
  • 切屑や切粉は、頻繁に集め、蓋のついた専用の容器に入れて下さい。

2.研磨加工

  • 研磨機(グラインダー等)を他の金属と併用するときは、完全に掃除を行って下さい。
  • マグネシウム専用の湿式集塵機を用いて下さい。
  • 集塵機に溜まったマグネシウムのスラッジは定期的に回収し溜めないようにして下さい。

3.保管及び廃棄

  • 表面に塗装等の処理の施されていないマグネシウムは、表面が腐食するおそれがあります。材料の保管は、火元となるような熱源が無く、湿度の低い場所でビニール袋等を被せて埃のかからないようにして下さい。
  • 切粉などは、通気性のある蓋付きの容器に入れ、火気のない換気の良い安全な場所に保管して下さい。廃棄は、専門業者に依頼して下さい。
  • 研摩粉など水で湿ったマグネシウムのスラッジは、水素を発生します(Mg+2H2O→Mg(OH)2+H2↑)。この水素は可燃性で、空気との混合により爆発的に燃えることがあるので注意が必要です。半乾きのスラッジは燃えやすくなりますので、貯蔵中のスラッジの上には十分な水を入れておく必要があります。
  • 湿ったスラッジは、塩化第1鉄の5%溶液で反応させ処理を行った後廃棄します。反応が正しく行われればマグネシウムは、水酸化マグネシウムや塩化マグネシウムに変わり、それらは通常の方法で廃棄することができます。なお、作業中に水素及びアンモニアが発生しますので通気性の良い場所で作業を行って下さい。

4.消火方法

  • マグネシウム消火方法模式図グラファイト系、フラックス(塩素系)などのマグネシウム専用消火剤を使用して燃焼部に覆い被せるようにして鎮火を待ちます。消火したように見えても消火剤を掻き分けると再度燃焼することがありますので注意して下さい。
  • 水は消火には絶対使用しないで下さい。
  • 噴霧消火器、泡消火器、通常のガス消火器や液体消火器も使用しないで下さい。

マグネシウム火災の消火には、絶対に水を使用しないこと!



※マグネシウムの詳しい取扱いにつきましては、日本マグネシウム協会より『マグネシウムの取扱い安全手引き』が発行されています。

※日本マグネシウム協会(JMA)のホームページへ


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