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高速フレーム溶射

高速フレーム溶射とは、フレーム溶射法における飛行粒子の速度を大幅に高くし、強い衝撃力をもって溶射皮膜を形成させるように工夫された溶射法のことです。適している溶射材料は、金属及びサーメット。

高速フレーム溶射のプロセス




各種の溶射プロセスにおける粒子の速度、フレーム温度、熱容量(エンタルピー)


溶射プロセス 粒子速度〔m/s〕 フレーム温度〔K〕 エンタルピー〔J/l〕
高速フレーム溶射 500~800 2,300~2,900 7,500~10,000
高エネルギープラズマ溶射 480~540 15,000~20,000 22,000~26,000
標準的プラズマ溶射 150~300 10,000~15,000 16,000~20,000
フレーム溶射 100~200 2,300~2,900 4,000~6,000
爆発溶射 600~800 2,300~2,900

ショックダイヤモンドについて

高速フレーム溶射において噴出される燃焼ガスは、音速を超える速度を有しているため、衝撃波が発生し、ショックダイヤモンドと呼ばれる白色の輝く菱形が生じることがあります。ガンから噴出された高速のガスの中に膨張波と圧縮波が連続で発生し、圧縮部ではガス圧力とガス温度が膨張部より高くなるため、他の部分より明るくなることが、ショックダイヤモンド発生の原因です。

高速フレーム溶射法の特徴

  1. 粉末粒子の飛行速度が極めて高い。
  2. 高速で粒子が衝突するので緻密な皮膜が得られる。
  3. 衝突の結果、皮膜内部には圧縮の残留応力が発生する。
  4. フレーム中への大気の混入が少なく、酸化が少ない。
  5. フレームの温度自体は通常のフレーム溶射法と同等であるので、溶射粉末は半溶融~溶融状態である。セラミックスのように融点の高い材料では短時間で十分に加熱するだけの温度ではないので、溶融が不十分である。
  6. 高温に加熱されないので溶射材料の変質が少ない。
  7. フレーム中のジェットガス流に乗せてやる必要があるため、適切な粉末粒子範囲が狭い。一般の粉末式フレーム溶射法に比較すると細かい粉末が必要である。
  8. 溶射ガンの内部を溶射材料が通過するので、ノズル閉塞(スピッティング)が起こりやすい。
  9. ガスの速度が超音速であるため、ジェットエンジンのように騒音が著しい。このため防音室内部で溶射を行う必要がある。

高速フレーム溶射による試験材への溶射風景

高速フレーム溶射皮膜の断面組織写真


用語集



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